研究課題
特別研究員奨励費
3年計画の最終年となる本年度は、東京大空襲と広島原爆という二つの戦争災害の集合的記憶を比較分析する本研究全体の枠組みを再検討するとともに、1・2年目に行った調査で得られた資料の分析を進め、本研究全体のとりまとめを行った。特に本年度進められた調査研究は次の4点である。第一に、前年度に引き続き、集合的記憶に関する研究動向について検討するとともに、社会調査に関する研究動向について検討した。本年度は特に、集合的記憶に関する国際的な研究動向について検討するとともに、観察調査や聞き取り調査によって得られた資料を分析するための手法に関する国際的な研究動向について検討した。第二に、1・2年目に行った戦争災害被災地域の各社会的集団(行政・当事者団体・宗教集団・地域集団等)が主催する戦争災害関連行事に対する観察調査および聞き取り調査で得られた資料の分析を進めた。本年度は特に、戦争災害犠牲者の慰霊・追悼行事に対して行ったヴィジュアル調査とその主催者および参加者に対して行った聞き取り調査で得られた資料の分析を進めた。第三に、1・2年目に行った戦争災害当事者(体験者・遺族)に対する聞き取り調査で得られた資料の分析を進めた。本年度は特に、戦争災害の体験者・遺族に対して行った生活史の聞き取り調査で得られた資料の分析を進めた。第四に、1・2年目に行った戦争災害の記憶を継承しようとする活動に対する観察調査および聞き取り調査で得られた資料の分析を進めた。本年度は特に、戦後70年目という状況をめぐって戦争災害非当事者によって進められた戦争災害の体験を語り継ぐ活動に対して行ったヴィジュアル調査とその主催者および参加者に対して行った聞き取り調査で得られた資料の分析を進めた。また、研究成果の発表として、以上の調査研究を通して得られた成果の一部を学会で報告するとともに、論文として学会誌に投稿する準備を進めた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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戦争社会学研究
巻: 1
軍事史学
巻: 51巻2号 ページ: 72-93
40020618618