研究課題
特別研究員奨励費
T2K実験は茨城県東海村J-PARC加速器を用いた長期ニュートリノ振動実験である。ニュートリノビームをJ-PARCで生成し、岐阜県飛騨市神岡町にあるスーパーカミオカンデで検出する。今年度はニュートリノ振動パラメータを測定する振動解析に従事した。ニュートリノ振動パラメータはスーパーカミオカンデでの予想エネルギー分布と測定されたエネルギー分布を比較することで測定する。その際にニュートリノ反応モデルによっては異なった分布を予測するため、振動パラメータに影響を及ぼす可能性がある。そのため、ニュートリノ反応モデルが振動パラメータに与える影響を様々なモデルを模したシミュレーションデータを用いることで詳細に調べた。その結果、ミューオンニュートリノのエネルギー分布に影響を与えるモデルがあることを突き止め、質量差を表すパラメータm^{2}_{32}については標準偏差に対して50%以上のズレを与えることを発見した。また、その影響を補正する方法を考案し、より詳細な系統誤差の評価をした解析手法を確立した。一方粒子と反粒子の違いを表すパラメータδ_{CP}においてはニュートリノ反応モデルの影響は約2%と十分に小さいことを確かめた。これらの解析によりニュートリノにおいてCP対称性が破れている確率を95%以上まで高めることに成功した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件) 備考 (3件)
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