研究課題/領域番号 |
15J01938
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
美術史
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山田 のぞみ 北海道大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2017-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2016年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2016年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2015年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | ベラスケス / バロック美術 / スペイン美術 / 宮廷絵画 / フェリペ4世 / トーレ・デ・ラ・パラーダ / 君主教育 / エンブレム / 宮廷美術 |
研究実績の概要 |
今年度は、昨年度から引き続いて君主教育を扱ったテクストとエンブレム書における影響関係と、エンブレム書と絵画との影響関係について考察するとともに、それらの成果を博士論文にまとめた。研究の実施状況は次のとおりである。スペイン・ハプスブルク家において君主教育が実際にどのように行われてきたかという問題に焦点をあてた。「王の鑑」と呼ばれる著作だけではなく、宗教書や歴史書、馬術、狩猟術の書もあったため、こうした例も含めて君主教育の内実を整理する必要があると報告者は考えた。さらに、父王であるカルロス1世が息子であるのちのフェリペ2世に宛てて書いた極秘の書簡や、バルタサール・カルロス皇太子が読むことを願ってフェリペ4世がイタリア語からスペイン語に翻訳したグイッチャルディーニの『イタリア史』など、父王自身が後継者の教育のために関わったテクストも考慮に入れる必要があることを示した。君主教育に用いられた文献を検討したところ、バルタサール・カルロス皇太子の教育のための書籍に、特にイメージが豊富に使われた著作が目立つということがわかった。この時代には、君主教育のメディアはテクストからイメージの領域にも拡大し、発展したことが明らかになった。また、報告者は、本研究のテーマを考察するうえで重要な考察対象として、マドリードの郊外に建てられた狩猟塔トーレ・デ・ラ・パラーダの絵画装飾に注目してきた。主要な居室である二階第七の間「王のギャラリー」に飾られたベラスケス作の3点の肖像画に注目し、父と叔父とともに皇太子の肖像画が置かれていた意味を、教育的な意義と結び付けて論じた。皇太子は父王と叔父を模範として君主となるべきであるということが、「王のギャラリー」における肖像画の配置の特徴と、君主教育のエンブレム書の表紙の画像との類似から明らかになった。
|
現在までの達成度 (段落) |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|