研究課題
特別研究員奨励費
第四級不斉炭素中心は生物活性化合物や医薬品中間体に多く見られる。その触媒的、エナンチオ選択的構築反応は、有用かつ魅力的手法である。しかし、C-C 結合形成における反応点周りの立体的な込み合いなどの要因により、有機合成化学における挑戦的課題として知られている。本研究は、末端アルケンを求核剤前駆体として用いた遷移金属触媒エナンチオ選択的クロスカップリング反応による第四級不斉炭素中心の構築反応の開発である。アルキルボランの銅触媒エナンチオ選択的分子内アリル化反応によりキラル環状化合物が得られることを見出した。末端アルケン部位を有する第一級塩化アリル基質と 9-BBN-H を用いたヒドロホウ素化反応により、対応するアルキルボランを調製 した。続いて、キラルCu(I)錯体触媒 (10 mol %) とKOMe (1.1 eq)存在下、メシチレン/メチルターシャリーブチルエーテル混合溶媒中で作用させることで分子内アリル化反応が高エナンチオ選択的に進行した。本反応によりアルキル基とビニル基からなる第三級および第四級不斉炭素中心を有する様々なキラル環状化合物が得られ た。生成物のビニル基は多様な官能基に変換できるため、キラル環状骨格を有する生物活性化合物合成への展開も期待できる。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Chemistry Letters
巻: 47 号: 5 ページ: 632-635
10.1246/cl.180147
130006732226
Journal of the American Chemical Society
巻: 139 号: 6 ページ: 2184-2187
10.1021/jacs.6b12881