褐色脂肪細胞特異的な転写制御・エピゲノム制御におけるＮＦＩＡの役割に関する研究

• 研究課題/領域番号: 15J02835
• 研究種目: 特別研究員奨励費
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 国内
• 研究分野: 代謝学
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 平池 勇雄 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
• 研究期間 (年度): 2015-04-24 – 2017-03-31
• 研究課題ステータス: 中途終了 (2016年度)
• 配分額: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円); 2016年度: 900千円 (直接経費: 900千円); 2015年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
• キーワード: 褐色脂肪細胞 / オープンクロマチン / 肥満症 / エピゲノム

研究実績の概要

褐色脂肪組織はミトコンドリアにおけるUCP1 (Uncoupling protein-1)の作用によってミトコンドリア内膜内外のプロトン濃度勾配を脱共役し熱としてエネルギーを消費する点に特徴がある。近年ヒト成人における機能的な褐色脂肪組織の存在が報告されており、また褐色脂肪組織の活性とBMIは負に相関する。よって褐色脂肪組織の数を増やす、ないし働きを高めることが可能になれば肥満症、メタボリックシンドローム、肥満2型糖尿病の新たな治療につながり得ると考えられ、期待されている。
我々はマウス褐色脂肪組織、皮下白色脂肪組織、内臓白色脂肪組織に対してFAIRE-seq (Formaldehyde-Assisted Isolation of Regulatory Elements coupled with high-throughput sequencing)を施行し、ゲノム上のオープンクロマチン領域を網羅的に同定してきた。褐色脂肪特異的なオープンクロマチン領域には転写因子NFIの結合モチーフが濃縮していた。NFIファミリーにはNFIA、B、C、Xの4種類のアイソフォームが存在するが、このうちNFIAはIn vivo、In vitroの双方で骨格筋や白色脂肪と比較して褐色脂肪で高発現していた。
C2C12筋芽細胞への遺伝子導入実験、褐色脂肪細胞における遺伝子ノックダウン実験、NFIAノックアウトマウスの解析からNFIAは褐色脂肪細胞分化の新規制御因子であると考えられた。ChIP-seq(Chromatin immunoprecipitation coupled with high-throughput sequencing)及びRNA-seqを含む網羅的解析により、NFIAが褐色脂肪細胞特異的な転写制御・エピゲノム制御において果たす役割を明らかにした。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [学会発表] NFIAは褐色脂肪遺伝子エンハンサーでPPARγと共局在し褐色脂肪の遺伝子プログラムを制御する (2016)
  • 著者名/発表者名: 平池勇雄、脇裕典、于静、中村正裕、三宅加奈、鈴木顕、仲木竜、長野学、大野晴也、沖健司、米田真康、堤修一、油谷浩幸、山内敏正、門脇孝
  • 学会等名: 第37回日本肥満学会
  • 発表場所: 東京都江東区
  • 年月日: 2016-10-07
• [学会発表] NFIA Controls the Brown Fat Gene Program by Co-Localizing with PPARgamma at Cell Type-Specific Enhancers (2016)
  • 著者名/発表者名: Hiraike Y., Waki H., Yu J., Nakamura M., Miyake K., Suzuki K., Nakaki R., Kobayashi H., Wada T., Sun W., Aoyama T., Hirota Y., Nagano G., Ohno H., Oki K., Yoneda M., Tsutsumi S., Aburatani H., Yamauchi T. and Kadowaki T.
  • 学会等名: American Diabetes Association's 76th Scientific Sessions
  • 発表場所: アメリカ合衆国ルイジアナ州ニューオーリンズ
  • 年月日: 2016-06-10
• [学会発表] NFIAは褐色脂肪遺伝子エンハンサーにおいて選択的にPPARγと共局在することで褐色脂肪の遺伝子プログラムを制御する (2016)
  • 著者名/発表者名: 平池勇雄、脇裕典、于静、中村正裕、三宅加奈、鈴木顕、仲木竜、小林博文、和田孝人、孫威、青山倫久、廣田雄輔、長野学、大野晴也、沖健司、米田真康、堤修一、油谷浩幸、山内敏正、門脇孝
  • 学会等名: 第59回日本糖尿病学会
  • 発表場所: 京都府京都市
  • 年月日: 2016-05-19
• [学会発表] NFIA Controls the Brown Fat Gene Program by Co-Localizing with PPARgamma at Cell Type-Specific Enhancers (2016)
  • 著者名/発表者名: Yuta Hiraike, Hironori Waki, Jing Yu, Kana Miyake, Masahiro Nakamura, Ken Suzuki, Ryo Nakaki, Hirofumi Kobayashi, Takahito Wada, Wei Sun, Tomohisa Aoyama, Yusuke Hirota, Gaku Nagano, Haruya Ohno, Kenji Oki, Masayasu Yoneda, Syuichi Tsutsumi, Hiroyuki Aburatani, Toshimasa Yamauchi and Takashi Kadowaki
  • 学会等名: Keystone Symposia Conference: Metabolism, Transcription and Disease
  • 発表場所: アメリカ合衆国ユタ州スノーバード
  • 年月日: 2016-01-10
  • 国際学会
• [学会発表] NFIA Controls the Brown Fat Gene Program by Co-Localizing with PPARgamma at Cell Type-Specific Enhancers (2016)
  • 著者名/発表者名: 平池勇雄、脇裕典、于静、中村正裕、三宅加奈、鈴木顕、仲木竜、堤修一、油谷浩幸、山内敏正、門脇孝
  • 学会等名: 第16回東京大学生命科学シンポジウム
  • 発表場所: 東京都目黒区
• [学会発表] NFIAは褐色脂肪遺伝子エンハンサーにおいて選択的にPPARγと共局在することで褐色脂肪の遺伝子プログラムを制御する (2015)
  • 著者名/発表者名: 平池勇雄、脇裕典、于静、中村正裕、三宅加奈、鈴木顕、仲木竜、小林博文、和田孝人、孫威、青山倫久、廣田雄輔、長野学、大野晴也、沖健司、米田真康、堤修一、油谷浩幸、山内敏正、門脇孝
  • 学会等名: 第27回分子糖尿病学シンポジウム
  • 発表場所: 東京都千代田区
  • 年月日: 2015-12-05