研究実績の概要 |
Q-Fano 3-foldの変形についていくつか結果が得られた. まずweak Q-Fano 3-foldの倉西空間が滑らかであることを証明した. これは京都大学での代数幾何学セミナーでの並河氏による質問への答えである. また, 並河氏の97年の論文において, Fano 3-fold上のGorenstein特異点の評価に関する公式が与えられているが, それをnon-Gorensteinの場合に拡張する公式も示した. 現在はNamikawa-Steenbrinkの論文に書かれてある別の特異点評価の公式を一般化し, それをまとめて投稿を行う予定である. これについて東大やKIASなど5箇所ほどで講演を行った. またCoughlan氏と行っているK3曲面上のアフィン錐についての研究に進展があり, 一般のK3曲面上のアフィン錐の変形はK3曲面の変形から誘導されるもののみであることが示せた. この結果はarXivにてインターネット上で公開し, また雑誌に投稿も行った. これについてHannover大学や台湾大学など5カ所で講演を行った. Tasin氏との重み付き完全交差に関する共同研究ではいくつか進展が見られた. もう少しFano多様体上での結果を充実させ, 投稿する予定である. Toric Fano多様体の倉西空間の計算はいくつか行ったものの, 論文に至るまでの結果は得られていない. ひとまず重み付き射影空間のような単純な例から計算を行いたい. 可約なCY多様体の変形についても特に進展は得られていないが, HK多様体の変形も含め今後進展させていきたい.
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