配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
研究実績の概要 |
血液や尿に代表される体液サンプルに含まれる生体分子解析は、疾病の有無や進行度を把握する上で、非常に実用的、かつ重要な方法論である。一方で、生体分子の安定性や存在量の低さから有用なバイオマーカーを探索することは困難であるという課題を抱える。 本研究では、血液や尿サンプルを用いて、がんと関連する生体分子を解析するための基盤技術の確立を目標とした。具体的には、外部より投与する機能性分子と解析対象分子との間で生じる化学反応を活用し、反応に伴い増幅した生成物を血中、尿中から検出する戦略を取る。生成物には人への使用実績があり、安全性に優れる薬剤であるアセトアミノフェンを利用する。前年度までに、アセトアミノフェンを用いた本戦略が機能することを、解析対象分子に過酸化水素を用い実証している (T. Nishihara et al. ChemBioChem 2017, 18, 910)。 本年度は新たにレポーター酵素に着目し、レポーター酵素による反応に伴いアセトアミノフェンを放出する機能性分子を設計、合成した。本機能性分子を用いて、がん検出への応用に向け研究を展開した。がん細胞の表面抗原の認識モチーフを利用しレポーター酵素をがん組織に集積させ、がん組織において機能性分子からアセトアミノフェンへの変換反応を惹起する戦略である。実際に、担がんマウスに対して機能性分子を投与し、一定時間経過した後に、血漿中のアセトアミノフェン、及び、アセトアミノフェン抱合体量を定量することでがん検出に向けた可能性を検証した。
|