研究課題
特別研究員奨励費
我々は、視床下部に特異的に発現する分泌性小タンパク質(NPGL及びNPGM)を発見しており、ラットやマウスを用いて新規小タンパク質の生理機能の解析を行ってきた。その結果、ラットにおいて新規小タンパク質は脂肪組織におけるde novo脂肪合成の亢進により生じることが示唆されている。本年度は、新規小タンパク質の成長遅延及び脂肪蓄積メカニズムの解明を目的に、行動薬理学的解析や形態学的解析を用いて新規小タンパク質の解析を行った。形態学的手法により、NPGL神経線維が投射するニューロンを解析した。NPGLと既知の摂食調節因子の蛍光二重免疫染色の結果、摂食中枢として知られる視床下部の弓状核においてNPGL神経線維がPOMCニューロンに投射していることが示唆された。POMCは摂食行動を抑制性に調節するニューロンであることが知られており、NPGLは摂食行動を促進させる作用を有しているため、NPGLはPOMCニューロンを抑制性に制御することが示唆された。また、行動薬理学的解析においてもNPGLの標的作用部位の検討を行った。しかしながら、POMCニューロンが発現する領域にNPGLを局所的に投与したがde novo脂肪合成等は認められなかった。これは投与量や脳の片側への投与などの実験条件に問題があったためだと考え、現在投与条件の検討を行っている。本年度は本研究課題の最終年度であったため、国際学術誌への論文投稿を積極的に行い、成果を報告した。NPGL及びNPGMの生理作用について、eLife誌に1報、Scientific Reports誌に1報、General and Comparative Endocrinology誌に2報の計4報が受理された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 2件)
Scientific Reports
巻: 8 号: 1 ページ: 704-704
10.1038/s41598-017-18822-9
General and Comparative Endocrinology
巻: In press ページ: 71-76
10.1016/j.ygcen.2017.11.010
Gen Comp Endocrinol.
巻: 256 ページ: 37-42
10.1016/j.ygcen.2017.05.016
Elife.
巻: 6
10.7554/elife.28527
Endocrinology
巻: 158 号: 5 ページ: 1120-1129
10.1210/en.2017-00064