研究実績の概要 |
店舗内外装の保護に関する日米比較を行った(初年度の実績である)2016年2月23日の米国・ペンシルベニア大学における報告をもとにした報告書を刊行した(SUEMUNE Tatsuyuki, The scope of protection on interiors or exteriors of shops as indicators of the source of origin --Comparing the legal framework in Japan with that of the U.S.--, 若手研究者養成プロジェクト海外ワークショップ報告書(2015年度)(早稲田大学大学院法学研究科、2017年9月), pp.77-123)。 研究を進める中で、店舗内外装に対する標識法の観点からの保護は、その他の法制度による保護との関係を明確に位置づける必要があり、むしろデザイン保護制度の全体の中において、標識法による保護がどう位置付けられるべきかを検討するべきであると思い至るようになった。かかる観点から、昨年度の実績である日本デザイン学会での報告を反映した論文として、末宗達行「アメリカにおけるデザインの保護」日本デザイン学会誌25巻2号28-38頁(2017年)を公刊した。その後、EU法上のデザイン保護制度について検討を行い、口頭発表を行った(末宗達行「EUデザイン指令・規則立法過程とデザイン・アプローチ―日本法からの一視点―」〔シンポジウム〕デザイン保護制度の現状と未来(於:早稲田大学、2018年3月10日))。 以上のように、研究対象を拡張する必要に迫られたため、当初の予定の比較法的見地からの検討をもとにした博士論文執筆を中心とする研究のとりまとめについては、本年度では達成することができず、翌年度以降に実現を期することとした。
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