研究課題
特別研究員奨励費
2006 年の日本歯周病学会による歯周病分類システムの中でも,Chediak-Higashi syndrome の細胞内オルガネラの構成成分を担うタンパク質をコードする遺伝子変異は,P. gingivalis の細胞内動態と歯周病との因果関係を明らかにするための解析対象として重要であると考えた.この症候群の責任遺伝子がコードするタンパク質は,免疫細胞や上皮細胞に分布する特徴がある.そこで申請者は,この遺伝子をノックダウンさせた歯肉上皮細胞のsmall hairpin RNA (shRNA) 安定発現株を作製した.ヒト歯肉上皮細胞にChediak-Higashi syndrome の責任遺伝子であるlysosomal trafficking regulator (LYST) 遺伝子に対するshRNA 安定発現株を,lysosome に特異的に存在するとされるタンパクであるlysosomal-associated membrane protein 1 (LAMP1) に対する抗体で免疫染色した像である.野生株ではLAMP1 抗体で染色されるlysosome が細胞全体に分布するのに対し,LYST をノックダウンさせた細胞ではlysosome が核近傍へ集積する傾向を認めた.この結果は,LYST が歯肉上皮細胞においてlysosome の細胞内局在に影響することを示唆している.また,この所見は,Chediak-Higashi syndrome の患者から採取した線維芽細胞でみられた過去の報告と傾向が一致した.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cellular Microbiology
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The Journal of Biological Chemistry
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