研究課題
特別研究員奨励費
当研究室で開発されたβ‐イソクプレイジン(β-ICD)及びα-イソクプレイン(α-ICPN)を用いた不斉森田-Baylis-Hillman反応の有用性を示す目的で以下の二つの研究を行った。1)テルモライドBの合成研究:テルモライドBは重篤な身体障害を引き起こす感染症であるリンパ系フィラリア症治療薬開発のリードとして期待されている。これまでに確立した合成経路を改良し、本天然物のC10-C18部位を有するアルデヒドを総収率21%で合成した。次にこのアルデヒドに対しシンコナアルカロイド触媒を用いる[2+2]環化付加反応を行いラクトンを高選択的に得た。続いてWeinrebアミドを経由し、ケトンをanti選択的に還元することでC10-C21フラグメントが有する全立体中心を制御構築した。その後、保護基の変換及びAppel反応等を経て、C10-C21フラグメントの合成を完了した。一方、C4-C9フラグメントに関しては、既知のアルキン化合物のオレフィン部位をLemiex-Johnson酸化に続く還元と保護の後、アルキンのヒドロスタニル化にて位置選択的に望むビニルスタナンを合成した。最後にヨウ素と反応させることでC4-C9フラグメントの構築を完了した。2)ポリプロピオナート構築法の開発:ベンズアルデヒドからβ-ICDを用いる触媒的MBH反応により得られるR付加体を出発原料として、4連続立体中心を有する8つのジアステレオマーを高立体選択的に構築できることを見出した。さらに、S体に関しても検討した結果、同様の反応性を示すことが明らかになった。また、anti,anti体に関しては保護基をTBDPS基へと変更することで収率及び選択性を改善できた。さらに、ジアステレオ選択的水素化についても高収率かつ高選択的に進行することが分かり、本方法論がポリプロピオナート構築の強力な手段になりうることを見出した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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European Journal of Organic Chemistry
巻: 印刷中 号: 19 ページ: 2719-2729
10.1002/ejoc.201700337
Chemical Communications
巻: (51) 号: 95 ページ: 17004-17007
10.1039/c5cc07749d