本研究の目的は、オートファゴソーム形成において、特に解析が進んでいない中期段階の分子機構を解明することにある。本研究では、中期段階で機能すると考えられているタンパク分子ATG2の解析を行う。初年度にあたる平成27年度は、ATG2ノックアウト細胞株の樹立・解析を主に行った。 1)CRISPR/Cas9システムを用いて、ヒト培養細胞からATG2ノックアウト細胞株を樹立した。表現系解析を行い、形態学的解析により適した細胞株として、マウス培養細胞からも同様にATG2ノックアウト細胞株を樹立した。 2)また、ATG2相互作用分子Xについて、RNAiによる機能阻害実験を行い、分子Xの機能阻害によるオートファジー活性の低下が示された。ATG2が既知のオートファジー関連分子以外の分子との相互作用により、オートファゴソーム形成において機能している可能性が示唆された。
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