研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目的は、ドイツを中心とした欧米諸国と日本の地理教育改革の歴史、カリキュラム変化、改革後の授業の変化に関する分析によって、各国の地理教育における持続可能な開発のための教育(ESD)の位置付けと地理教育改革におけるESDの役割を考察し、日本の地理教育におけるESDの教授理論を構築することである。2016年度は、ドイツとイギリス、アメリカを研究対象としたが、昨年度末に新カリキュラム(ドイツ・ラインラント=プファルツ州)に関する資料・情報を得たことから、とりわけドイツに研究の重点を置いた。ドイツでは昨年度と同様、現地での資料収集、聞き取り調査、授業見学等を実施し、とりわけラインラント=プファルツ州では新改訂の社会科学科カリキュラムにおける地理の特徴やESDの視点、地理学習を通じて育むコンピテンシーについてカリキュラム作成責任者から聞き取ることができた。またイギリスに関しては2014年版地理カリキュラムおよび地理教科書の分析から、初等教育における地理学習の特徴、環境からみたESDに関する学習の視点について検討した。アメリカに関しては、シカゴ大学実験学校を訪問し、社会科や人文科における地理的な学習について、他の研究者とともに授業の見学や、授業者・教科主任への聞き取りを実施した。本研究の成果は、国内の学会で報告するとともに、学会誌や紀要等に論文を投稿し、掲載された。加えて、日本社会科教育学会が刊行した編著本では、現場教員と共同でESDの授業実践に関する内容を執筆し、日本の地理学習に対する提案を行った。またH29年度科研費申請において、本研究の成果等をベースにした新たな研究課題が採択されたことから、今後は本研究におけるドイツに関する部分の成果をまとめた単著を刊行するとともに、より具体的なレベルで地理教育・学習におけるESDの実践のあり方を研究・提案する予定である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (9件) 図書 (1件)
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