研究課題
特別研究員奨励費
この1年間はドイツバイロイト大学バイエルン地球科学研究所に滞在し、1年目の研究課題である①川井型マルチアンビルプレスを用いた50 GPa以上の圧力発生技術の開発と②40 GPa以上、2000 Kにおける新規圧力定点の確立を主な目的に研究を行ってきた。①に関しては、2段目アンビルに斜面付きタングステンカーバイドアンビルを採用し、高圧セル、ガスケットの最適化を行い、室温で63 GPa、2000 Kで45 GPaの圧力発生に成功した。この結果は国内・国際学会で発表し、また国際誌で公表されている。また、発生圧力の見積もりに用いていたMg3Al2Si3O12組成試料の高圧相転移について、同組成のブリッジマナイトを合成した際、減圧過程でリチウムニオベート構造へ相転移することが解った。この相の結晶構造解析を放射光X線回折測定と組み合わせて行い、現在国際誌への投稿論文を準備している。この高圧発生技術を②に応用して、パイロープ(Mg3Al2Si3O12)-アルマンディン(Fe3Al2Si3O12)系高温高圧相関係を決定し、この系中で合成されるブリッジマナイト相の化学組成の圧力依存性を現在決定中である。現在までに、両者の中間組成である(Mg,Fe)Al2Si3O12組成の2000 Kにおける高圧相関係を40 GPaまで決定した。40 GPaで同組成を持つリチウムニオベート相が合成されることが解り、この相についても結晶構造解析を行っていく予定である。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
Rev. Sci. Instrum.
巻: 87 号: 2 ページ: 24501-24501
10.1063/1.4941716