研究課題
特別研究員奨励費
本研究では,経年や変成に強い無機物質(希土類元素:REEs)をバイオマーカーとして利用する手法の確立を最終目標としている。今年度は,STXMによる天然BIOS中での微生物代謝に関連した鉄化学種変化の直接観測した結果を論文として出版することと,派生テーマとして進めている隕石中の有機物分析結果を論文としてまとめ,出版を目指すことを目標として研究を実施した。実施項目とその達成状況は以下の通りである。(i) STXMへの蛍光検出器の設置 ⇒ 未達成,装置環境に難あり。(ii) μ-XRF-XAFS・同位体顕微鏡(NanoSIMS)によるREEsの可視化 ⇒ 未達成,μ-XRF-XAFSは実施したが可視化できず,NanoSIMS分析は隕石試料分析を優先した。(iii) STXMによる天然BIOS中での微生物代謝に関連した鉄化学種変化の直接観測結果をまとめた論文の出版 ⇒ 達成,国際誌Microbes and Environments にて出版,多くの反響を頂き,いくつかの学会やセミナーにも招待頂き発表する機会を得た。(iv) STXMによる隕石中有機物のその場分析 ⇒ 実施中,炭素質コンドライトの分析結果は既に執筆が終わり,Nature等のハイランクジャーナルに投稿しリジェクトされたが,現在再投稿に向けて着々と原稿を再構成している。一方,火星起源隕石中の有機物分析の結果は現在論文にまとめている。概要として,「有機物は水質変成を受けたことを示す官能基組成を持っており,それを支持するように,水の存在下で生成する二次鉱物(ハライトや粘土鉱物)と共存している」という結果を得た。加えて,「この有機物の持つ水素同位体比(δD)は火星表層の値に非常に近いため,火星由来の有機物であるとの解釈が妥当である」ことを示していた。一部の項目は未達成となったものの,派生テーマ研究は期待以上に発展した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 4件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 7件、 招待講演 3件)
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