研究課題
特別研究員奨励費
3年目は、国内外の様々な地域(宮城県、中国安徽省・雲南省・貴州省・湖北省、オランダ、米国ネバダ州)から採集された糞化石について、マイクロCT解析をはじめとした内部構造解析を行った。CT構造解析においては、国立科学博物館のラボ型CTを利用した一方で、放射光施設SPring8での試験的撮影も行い、位相差X線CTにより高解像度かつ高コントラストの断層画像が得られることが確認された。特にオランダWnterswijk産の中部三畳系産の糞化石から密集して見つかった内容物は、魚類の鱗・骨化石として非公式に認知されていたが、改めて断層画像を3D化し検討した結果、遊泳性軟体動物の一部である可能性が示された。さらに、2年目に引き続き宮城県における下部三畳系深海成層・大沢層の現地発掘調査を行い、既知の海生爬虫類や非遊泳性無脊椎動物のほか、同層準から多様な硬骨魚類、アンモナイト類、甲殻類が産出することを改めて示した。糞化石内容物と体化石について得られている予察的なデータを統合すると、前期三畳紀には脊椎動物同士の食う・食われるの関係が成立していただけではなく、甲殻類や軟体動物など、リン酸塩質の骨格を持たない生物を専食する動物が多様化していたことが示唆される。この成果に関して国際学会で発表し、現在論文として公表準備中である。また、2011年に報告された下部三畳系平磯層の脊椎動物化石密集層の再調査も行い、多様な水生脊椎動物の化石が産出することも確認された。特に板鰓類を主体とする大型魚類と大型両生類の化石が優先的であるなどの点で大沢層とは異なる。ただし後者の地層からは糞化石など生物間相互作用を示す記録は未だ得られておらず、今後さらなる発掘調査が進むことが期待される。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Geodiversitas
巻: 印刷中
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巻: 印刷中 号: 2 ページ: e1278606-e1278606
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https://www.fossiljapan.com/