研究課題
特別研究員奨励費
これまでの研究で酵素A欠損マウスでは標的疾患に対して高い抵抗性を示すことを明らかにした。また、標的細胞における酵素Aの発現が疾患関連因子である基質Bの分泌制御に関わっていることを解明した。さらに、酵素A存在下における基質Bの分泌機構についてもその一端を明らかにした。これらの結果を受け、本年度は酵素Aと基質Bの反応に関わる周辺分子の同定を試みるとともに、酵素Aにおける基質Bへの反応特異性を決定する要因を明らかにすることを目標とした。まず、野生型マウス由来の標的細胞を用いて酵素Aによる基質Bの特異的な分泌経路の解析を行った。定常状態では細胞質全体に分布していた基質Bは標的細胞活性化後特定の領域に集積することが分かった。そこで、活性化した標的細胞を用いて細胞内小器官との共局在について解析を行った。その結果、複数の輸送小胞マーカーとの共局在が認められ、経時的に輸送小胞への集積が強まることが明らかになった。これらの現象は、通常の細胞外輸送とは異なり、基質Bや特定の分泌小胞に限定されるものであった。この結果を受け、基質Bの分泌過程で酵素Aが関与する時点のの解析を行った。その結果、標的細胞の活性化後極めて早い段階では基質Bの集積は少ないものの、酵素Aと基質Bの共局在が認められた。その後集積した基質Bが増え、同時に輸送小胞との共局在が増加した。以上のことから酵素Aが関与する基質Bの細胞内局在変化について、その経路の一端を明らかにした。しかし、これら以外の周辺分子がどのように分泌機構に関与しているかは依然として不明である。また、酵素Aを含むファミリーのうち、他の酵素による基質B分泌制御への影響や酵素A特異性の要因は明らかでない。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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