研究課題/領域番号 |
15J07399
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
美学・芸術諸学
|
研究機関 | 京都文教大学 |
研究代表者 |
伊藤 悟 京都文教大学, 総合社会学部 総合社会学科, 特別研究員(PD) (90633503)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2018-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | タイ族 / 感性 / 民族誌 / 即興歌 / 音文化 / 人類学 / 感覚 / 映像 |
研究実績の概要 |
生活に密着した伝統芸術の担い手たちは、時代の趨勢のなかでいかに芸術実践を調整し、また変革に働きかけるのか。本研究の目的は、人びとの、芸術実践を生み、享受する感性に着目し、その変化を民族誌的研究から明らかにするものである。 本研究は、中国徳宏タイ族の声と音の文化と、タイ北部の即興歌の民間芸能ソーについて参与観察調査を行い、個人の体験から社会を照らし返す微視的研究とともに、巨視的研究から両地域を比較分析し、タイ系民族の感性的特徴を考察する。研究成果は、人々の経験や語りに寄り添って考察・記述する民族誌の執筆と、芸術体験における情動や感覚的表現を映し出す民族誌映画の制作を目指す。 今年度は、タイ王国北部チェンマイ県にて、主にソー歌謡の実践の現場、師の精霊を祀るワイクー儀礼、雨安居期間の若手歌手たちの学習、即興技法の練習と教授方法などに関する参与観察と現役の歌手たちへのインタビューによる民族誌データの収集に努めた。中国雲南省では、主に即興歌の技能を聴取や朗誦の基礎にする上座仏教の朗誦文化と文字文化の復興運動に関して民族誌データを収集した。調査研究により、下記について明らかになった。 ①ソー芸能では専業化が進むとともに、昔ながらの芸の感性は北部地域における文化的媒介者としてのものだけでなく、タイ王国の「伝統芸能」として価値づけるべく、感性の洗練・革新が試みられていた。 ②徳宏タイ社会では、急速な現代化にともない世代間の感性の差異が著しく大きいが、なかには老人と若者が協働して文化を客体化し、その伝承形態の変革を試みる事例もあった。こうした状況下では両世代にその差異を感じとる感性が育まれるとともに、差異を架橋しようとする実践活動の試行錯誤が続けられていた。 ③インターネットとSNSの普及、交通網の発達により、タイ系民族間でのトランスナショナルな交流が促進され、文化的模倣や混淆が促進されていた。
|
現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|