研究課題
特別研究員奨励費
平成28年度の結果から、まずはTDP-43の異常・正常局在をin vitroで再現することを目的に条件を検討した。前年度は、蛍光タンパク質で標識したTDP-43を培養細胞に発現させると、野生型TDP-43においても核局在性を失い、正常な局在を再現できていなかったが、レンチウィルスを介してマウス初代培養ニューロンに感染させることにより正常な核局在性を示した。これと並行して、TDP-43と同様に伝播現象を支持する初見が報告されているα-Synucleinについても同様に蛍光標識後、ニューロンに発現させ局在解析を行った。Transgeneが導入された細胞は一部であったが、導入マーカーの蛍光タンパク質(mRFP)が発現する細胞特異的に、α-Synucleinの発現が軸索・細胞体にまで及んでおり、Transgeneが発現していない細胞ではシグナルを認めなかった。正常なシナプス局在を示すα-Synucleinについては、増感法を用いた染色条件の検討によりシグナル検出が可能になった。今後、これらの正常及び異常局在を示す細胞を用いて共培養による発現変化を調べる。一方、前年度に解析を進めていた加齢に伴う嗅球でのα-Synucleinの蓄積について、他領域での変化を調べたところ、海馬において局在変化は認めないもののα-Synucleinのシナプスでの集積を認めた。嗅球からは嗅内皮質を介して海馬へ投射するため、細胞の脆弱性もしくは細胞間伝播により海馬においてα-Synucleinが多く発現している可能性が考えられる。嗅球及び海馬での異常を示す細胞について解析を行い、細胞種を特定した解析系の確立を計画している。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Neuroscience Research
巻: 106 ページ: 55-61
10.1016/j.neures.2015.11.006