研究実績の概要 |
(1) Eberhard Kirchberg氏との共同研究で、以下を示した: Aが可分単純非I型C*-環ならば、Kirchbergの中心列環F(A)で、sub-quotientがIII型因子環となるものが連続個存在する。特に自由群の被約群C*環の中心列環が非可換であるかを問うKirchbergの問を解決した(現在論文投稿中) (2) 松澤泰道氏との共同研究で、以下を示した: Hを可分無限次元Hilbert空間とするとき、H上の自己共役作用素全体の空間SA(H)は強resolvent収束に関してPolish空間(可分・完備距離付可能)となる。SA(H)上に様々な同値関係を与えることができるが、私は特にWeyl-von Neumannの同値関係(自己共役作用素A, Bはあるコンパクト作用素Kとユニタリ作用素uに対して、uAu*+K=Bを満たすとき、Weyl-von Neumann同値であると呼ぶ)について2014年にその同値関係としての複雑さの研究を開始した。 今年度は次の事を証明した: 実数列全体の空間X上の上に「数列a,bはある置換πによってa_{π(n)}-b_nがc_0となるとき同値」として同値関係Eを定めると、EはWeyl-von Neumann同値関係の可換版に相当するものと解釈できる。このEがBorelである事をBecker-Kechrisの定理を用いて証明した。また自己共役作用素のSchatten属作用素による摂動して得られる同値関係はessentiallly K_σである事を証明した。これらは論文を準備中である。
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