研究課題
特別研究員奨励費
本研究目的は妊娠期女性の骨盤周囲痛軽減であり、疼痛のリスク因子となりうる動作を客観的に評価し、動作改善による疼痛軽減を目指していた。平成27年度は、妊婦を対象に骨盤周囲痛を引き起こす動作を調査し、当初、骨盤周囲痛と関連が深いとされていた歩行に加え、椅子の立ち座りに代表される日常生活動作が疼痛を引き起こす可能性が示された。これを受け平成28年度は、妊婦の体幹下部後面に慣性センサを装着し、椅子の立ち座りにおける骨盤周囲痛有訴妊婦特有の動作を調査した。これより、骨盤周囲痛有訴妊婦は非有訴妊婦と比較して、椅子の立ち上がりにおける体幹ピッチ角速度が大きいことを確認した。平成29年度の研究を遂行するにあたり、妊娠期の骨盤周囲痛改善のために、疼痛有訴妊婦特有の動作特性を確認することはできたが、疼痛発症の直接的な因子になりうる筋負荷等の介在因子の情報が考慮できていない点が課題であると考えた。そこで研究計画を見直し、動作中の筋トルクを推定する手法である筋骨格モデルに着目し、妊婦の筋骨格モデルを構成し、椅子の立ち座り動作中の体幹動作により生じる脊柱起立筋の筋トルクを調査した。なお、骨盤周囲痛のリスク因子として脊柱起立筋に、筋負荷の指標の一つとして筋トルクに着目した。具体的には、妊娠後期妊婦11名に対して椅子の立ち座り動作実験を実施し、動作中の疼痛有訴妊婦と非有訴妊婦における脊柱起立筋筋トルクの違いを比較した。さらに、椅子からの立ち上がり時における疼痛程度を聴取し、筋トルクと疼痛程度の関連性を調査した。この結果、平成28年度研究にて提案した評価指標のうち、体幹ピッチ角速度の大きさと脊柱起立筋筋活動の大きさ、同筋筋活動の大きさと腰背部痛程度のそれぞれに正の相関関係を認めた。これより、慣性センサを用いることで、腰背部痛誘発の可能性のある体幹の動作特性および腰背部の筋活動も評価できる可能性を確認した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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