研究課題
特別研究員奨励費
昨年度までに全光学的手法を用いた極低温量子縮退フェルミ・ボーズ混合系が完成し、安定して量子縮退する系を得ることができていたが、今年度は測定においてポイントとなる吸収イメージングの技術を確立することに成功した。本研究の目的は、強く相互作用する多体フェルミ粒子系の状態方程式を実験的に決定することである。これは、高い密度で光トラップ中に保持された極低温多体フェルミ粒子系を準備し、その密度分布を実験的に測定することによって実現できる。これまで既に6Li原子に対して全光学的手法を適用することで、極低温量子縮退フェルミ粒子系が安定して得られる装置が実現していた。しかしながら、光トラップ中に高密度でトラップされたフェルミ粒子系の密度分布を測定することはいくつかの困難があることがわかってきた。今回の研究を実現するためには、(1) 高密度な実空間密度分布を吸収撮像法で測定するため、強い光強度が必要、(2)軽い原子について吸収撮像法を行うため、反跳効果による吸収断面積変化の較正が必要であった。これらの条件を鑑みて、本研究ではできるだけ測定の影響を抑えながら、光トラップ中高密度原子の密度分布を実験的に決定する手法を提案し、実行した。具体的にはまず最も測定の影響を抑えられる測定条件を議論し、さらにその測定条件のもとで吸収撮像法で必要なパラメタ群の実効的な値を実験的に決定する手法を提案した。それを6Liの系に対して適用し、精度良く密度分布を得ることに成功した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件)
Physical Review A
巻: 95 号: 4 ページ: 043416-043416
10.1103/physreva.95.043416
Journal of the Physical Society of Japan
巻: 86 号: 10 ページ: 104301-104301
10.7566/jpsj.86.104301
巻: 印刷中
Journal of Physics B: Atomic, Molecular and Optical Physics
巻: 50 号: 1 ページ: 01LT01-01LT01
10.1088/1361-6455/50/1/01lt01