研究課題/領域番号 |
15J09267
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
對馬 大気 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2017年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2016年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2015年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 重要視(の変容) / 合理性 / 価値実感 / 価値実感の価値観負荷性 / 価値実感の予見困難性 / 事後的正当化 / 道徳的運 / B. ウィリアムズ / 行為 / 意志 / 理由把握 / 重要視 / 理由システム / 行為説明 / 自然と規範 / 行為者性 / 理由の観点 / 個人的価値 / 意図的制御能力 / 自律的制御能力 |
研究実績の概要 |
昨年度までの研究では「重要視」の静的な構造を分析・探求したのに対して、本年度の研究では、その動的な構造(重要視の変容の構造)を分析・探求した。特に、重要視の合理的選択の基準は何かという問題に取り組んだ。主に「価値実感への期待」と「他者との対話」という二要素に着目したが、以下では前者の考察を通じて得られた成果を詳述する。 重要視の合理的な選択基準のなかでも、価値実感への期待は理論的にも実践的にも重要な意味をもつ。しかし、価値実感への期待が重要視の選択を正当化するのは、価値実感への期待が充足される限りにおいてである。ところが、以下で述べるように、価値実感には本来的な予見困難性が伴う。 ここで価値実感とは、ある重要視を採用している人だけが享受しうるものであり、その重要視によって可能になる活動に伴う経験のことである。このような価値実感は、本質的には、その重要視を採用したうえで、一定期間それに伴う活動に従事する人のみが理解できるものである。この意味で価値実感は、(科学論の文脈で言う、経験的データの「理論負荷性」と類比的な)いわば「重要視負荷性」を帯びている。価値実感の重要視負荷性は、価値実感の予見を困難にする。 価値実感の予見を困難にする別の事情もある。すなわち、ある重要視を採用するとき、その重要視を採用することがどのようなことなのかについてあらかじめ完全に理解していることはありそうにない、という事情である。 価値実感への期待が充足されるかどうかは予見困難であり、運に服している。したがって、価値実感への期待が重要視の選択を正当化するかどうかも運に服している。以上の論点は、B. ウィリアムズの論文 "Moral Luck" における「ある種の選択の正当化は事後的にしかなされえず、運に服している」という謎めいたテーゼを根拠づけるものとして解釈可能であり、その意味で重要な意義をもつ。
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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