研究課題/領域番号 |
15J10302
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
獣医学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
茂木 朋貴 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2017-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2016年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2016年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2015年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | リンパ腫 / CD44v / ESRP1 / cDNA microarray / 犬 / CD44 |
研究実績の概要 |
本研究は犬リンパ腫の病態において、CD44バリアントアイソフォーム(CD44v)を発現する細胞が薬剤耐性に関わり、再発や予後の悪化に繋がる事を証明することを目的としている。本年度はCD44v発現細胞の性状解析およびその発現制御メカニズムの解明を中心として行った。 まず、CD44vが高発現だったリンパ腫症例から合計8種類のCD44vの塩基配列を決定し、その機能変化を解析した。その結果、CD44v6発現細胞株ではドキソルビシンおよびビンクリスチンに対する感受性が低下した。さらに、CD44v6発現細胞株ではHGF刺激によってPDK1およびAktの発現量が変化し、Akt阻害薬を添加することによってドキソルビシンおよびビンクリスチンに対する感受性が回復することが示された。 次にリンパ腫症例からCD44v高発現症例および低発現症例を選抜し、cDNAマイクロアレイ解析に供し、CD44v高発現群と低発現群間で群間で2倍以上かつP<0.05の発現量の遺伝子を抽出した。発現量が変化していた上位5遺伝子について症例ごとに比較したところ、SCMLとESRP1の2遺伝子ではCD44v高発現群における最低値が低発現群における最高値を大きく上回っていた。そこで、ESRP1の機能解析を行ったところ、ESRP1の発現誘導に伴ってCD44vのタンパク質の発現亢進が認められ、ドキソルビシンおよびビンクリスチンに対する感受性の低下が認められた。さらに、多中心型高悪性度B細胞リンパ腫47頭の腫瘍細胞におけるESRP1の発現量を定量したところ、ESRP1高発現群における無増悪生存期間はESRP1低発現群よりも有意に短縮した。 本研究により犬のリンパ腫におけるCD44vにおける発現量の違いは分子マーカーによって層別化を可能にし、治療反応性の悪い多中心型高悪性度B細胞性リンパ腫の予後を改善できる新たな治療戦略が示された。
|
現在までの達成度 (段落) |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|