研究課題
特別研究員奨励費
本年度は、① Exosomeに内包される分子の同定とその機能解析、② in vivoアッセイ系を用いた診断・治療法への応用について、以下の通り実施した。また、上記に加え、③ 胃癌細胞自身が分泌しているExosomeが線維芽細胞に与える影響についても着目し検討を行ったところ、非常に興味深い結果が得られた。① ② まず、前年度に樹立できなかったExosome分泌が人工的に抑制された不死化CAF (CAF細胞株)の作製に取り掛かった。Exosome分泌に関連する遺伝子のsiRNAを用いた検討により、SMPD3およびTSAP6の発現の抑制によりCAF細胞株におけるExosome分泌の低下が見られた。現在、この両者の遺伝子発現に対するshRNAを搭載したベクターを用いて、恒常的Exosome産生が抑制されたCAF細胞株の作製を行っている。さらに、CAFから分泌されるExosomeに内包されるmiRNAであるmiR-125bがスキルス胃癌細胞株HSC-44PEの浸潤能に及ぼす影響について検討した。その結果、miR-125b mimicのトランスフェクションにより胃癌細胞株の浸潤能が有意に亢進した。このことから、CAF由来のExosome処理による胃癌細胞株浸潤は、ExosomeによるmiR-125bの授受が関わっている可能性が示唆された。③ スキルス胃癌高腹膜播種転移株である44As3細胞および低転移株であるHSC-44PEが胃線維芽細胞に与える影響について検討した結果、i) 44As3はHSC-44PEより胃線維芽細胞をCAF様の形質に転換させる能力が高いこと、ii) CAFの機能的不均一性を生み出すこと、iii) これを44As3由来のExosomeが誘導していることを明らかとした。さらに、ExosomeによるCAFの機能的不均一性がスキルス胃癌進展に寄与することを明らかとした。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 3件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 6件、 招待講演 1件)
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