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マウスのフェロモンESPが性行動を制御する際に機能する脳神経回路の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15J11066
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 応用生物化学
研究機関東京大学

研究代表者

小坂田 拓哉  東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2015-04-24 – 2017-03-31
研究課題ステータス 完了 (2016年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2016年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2015年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードフェロモン / 神経科学 / 社会行動 / 動物 / 行動学
研究実績の概要

本研究によって、幼少フェロモンESP22が雌マウスに受容された際の行動出力とそこに至るまでの情報制御機構を明らかにすることに成功した。生後2-3週令の幼少マウスの涙液中に分泌される約10 kDaのペプチドESP22は、単一の鋤鼻受容体V2Rp4で受容される。そして、母親マウスと交尾未経験雌マウスに対して異なった行動出力をもたらす。その中で、交尾未経験雌マウスに対しては、雄マウスがマウント行動を仕掛けた際に、そのマウント行動を拒否する行動を促進することが明らかになった。その際に、ESP22はまずV2Rp4を発現する鋤鼻神経細胞で受容され、副嗅球へとその情報が伝達された後、MeAならびにBNSTへと伝達されていくことが示された。BNSTに分布する神経細胞の大半は抑制性の細胞であること、また、VMHvlがBNSTの神経細胞の軸索の主要な投射先であることが、並行する研究で明らかにされた。これらを合わせて考えると、ESP22が交尾未経験雌マウスに受容されると、情報がBNSTへと伝達され、BNSTの神経細胞がVMHvlの活動を抑制することで、拒否行動が促進されると考察される。
幼少フェロモンESP22は母親マウスを近くに留まらせ、それ以外の雌マウスの性行動を抑制する。自然界において、野ネズミは雌個体がなわばりを形成し、周囲の雌個体によるなわばりへの侵入が観察される。この際に、性的モチベーションが高い個体ほど、攻撃性が高い。また、雌マウスは妊娠に成功すると、攻撃性が高くなることが知られている。ESP22が雌マウスの性行動を抑制することによって、攻撃性の高い個体が幼少マウスの周囲に存在する状況を未然に防いでいる可能性が考えられる。また、ESP22が母親マウスを近くに留まらせることにより、幼少マウスは母親マウスの近くに長い期間生息することができ、被食率を低く保てるとも考察される。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2016 実績報告書
  • 2015 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Self-Exposure to the Male Pheromone ESP1 Enhances Male Aggressiveness in Mice2016

    • 著者名/発表者名
      Tatsuya Hattori, Takuya Osakada, Ayaka Matsumoto, Naoki Matsuo, Sachiko Haga-Yamanaka, Takaya Nishida, Yuji Mori, Kazutaka Mogi, Kazushige Touhara, Takefumi Kikusui
    • 雑誌名

      Current Biology

      巻: 26 号: 9 ページ: 1229-1234

    • DOI

      10.1016/j.cub.2016.03.029

    • 関連する報告書
      2015 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Juvenile pheromone received by a specific vomeronasal receptor suppresses sexual behaviors in virgin female mice2016

    • 著者名/発表者名
      Takuya Osakada, Hiromi Mori, Yoshihiro Yoshihara, Kazunari Miyamichi, and Kazushige Touhara
    • 学会等名
      The 15th International Symposium on Molecular and Neural Mechanisms of Taste and Olfactory Perception
    • 発表場所
      九州大学馬出病院キャンパス(福岡、福岡)
    • 年月日
      2016-12-03
    • 関連する報告書
      2016 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 雄マウスフェロモンESP1は自分自身の攻撃性を高める2016

    • 著者名/発表者名
      服部 達也、小坂田 拓哉、松元 綾香、松尾 直毅、はが 紗智子、西田 貴也、森 裕司、茂木 一孝、東原 和成、菊水 健史
    • 学会等名
      第39回 日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜、神奈川)
    • 年月日
      2016-07-20
    • 関連する報告書
      2016 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] マウスペプチド性フェロモンESPが制御する社会行動の解析2015

    • 著者名/発表者名
      小坂田 拓哉、東原 和成
    • 学会等名
      The 3rd Chemosensory and Behavior Workshop
    • 発表場所
      箱根、神奈川
    • 年月日
      2015-11-15
    • 関連する報告書
      2015 実績報告書
  • [図書] 嗅覚受容体遺伝子と嗅覚情報の伝達メカニズム2017

    • 著者名/発表者名
      小坂田 拓哉、東原 和成
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      東京医学社
    • 関連する報告書
      2016 実績報告書

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公開日: 2015-11-26   更新日: 2024-03-26  

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