研究課題/領域番号 |
15J11250
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎(理論)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉浦 祥 東京大学, 物性研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 量子統計力学 / 量子力学 / 熱平衡化 / 孤立量子系 / エントロピー / 熱的な量子純粋状態 / 熱力学のジオメトリー / 非平衡状態 |
研究実績の概要 |
一つの量子純粋状態による量子統計力学定式化を研究した。その結果、以下に述べる3つのトピックにおいて進展があった。(1)熱的量子純粋状態のエンタングルメントエントロピーの関数形を進め、フォンノイマンエントロピーについても近似的な関数系を求めた (2)Shortcut to adiabaticityと呼ばれる、断熱時間発展と同様の状態へと収束する高速な時間発展の研究を行い、近似的には局所的な物理量で構成できる領域がある事を発見した (3)熱的純粋状態を基底に用いた経路積分表式を精緻化し、この経路積分表式に表れる負符号問題を解決した。これらは全て、非平衡系の熱的量子純粋状態の研究である。 (1)は純粋状態が熱化するか、という問いを、局所的な物理を超えて非局所的な物理量にまで拡張するものである。昨年、レニーエントロピーに対する普遍性を示したものの、その後の研究によりレニーエントロピーは全系のエネルギー揺らぎの影響を受けることが分かった。しかし、その影響を計算するのは簡単では無い。一方フォンノイマンエントロピーはエネルギー揺らぎの影響を受け無いため、この応用は重要である。 (2)は非平衡状態において量子純粋状態をどの程度早く効率よく運ぶことができるかについての研究である。局所的な外場を加える事で、散逸をどこまで少なくできるかを研究した結果、エネルギー固有状態熱化仮説が成立する場合においても、散逸が指数関数的に少ない時間発展が存在する領域がある事を発見した。 (3)は熱的量子純粋状態による定式化を、非平衡系の経路積分へと応用した研究である。昨年導出した経路積分表式では、ランダムな位相の影響が残り、実際に具体的な問題で計算することは難しかった。そこで定式化をより精緻化し、ランダムな位相の影響のない定式化を完成させた。これにより具体的な系で我々の経路積分を用いた状態の遷移確率の計算が可能となる。
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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