研究課題
特別研究員奨励費
本研究課題においては、ハイブリッド力学系におけるリズム現象について、位相の外力に対する応答(位相感受関数)を評価する手法を開発し、その同期現象を扱うための理論を確立してきた。前年度までに構築した理論の精緻化、および興味深いハイブリッド振動子として受動歩行モデルの同期解析を行った。この結果は国際誌で発表された。振動子の同期状態の設計や最適化は自律分散システムの有用性からますます重要な課題となっている。振動子の周期外力に対する同期安定性の最大化については研究が行われてきたが、振動子間の結合様式を最適化する研究は行われてこなかった。振動子間結合強度に関する制約のもとで同期状態の安定性を最大化する結合様式を求める手法を開発した。また、この手法を反応拡散系に拡張した。これらの結果は現在国際誌に投稿中である。位相感受関数による応答解析は、共変リアプノフ(フロケ)解析と呼ばれる力学系の外乱に対するより一般的な応答解析手法に含まれる。共変リアプノフ解析を用いることで、従来のリズム現象解析では標準的な振動子モデルにおいてのみ考慮されてきた位相を除く成分(振幅方向成分)の影響を一般の振動子モデルにおいて定量的に解析することができる。位相応答だけでなく振幅応答について評価しそれを応用する試みとして、以下の研究を行った。従来の共変リアプノフ解析は、システムの典型的なふるまいであるアトラクタのごく近傍でのみ有効な応答解析手法であるが、近年注目されているKoopman作用素理論に基づく議論から、過渡過程における応答をこれらの手法の拡張として自然に与えることができることを示した。また、この応答特性に着目することで、過渡過程において振幅を効果的に抑制する制御入力を求めるための最適化手法を提案した。この結果は国際誌で発表された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 7件、 招待講演 2件) 備考 (3件)
Chaos
巻: 27 号: 2 ページ: 023119-023119
10.1063/1.4977195
120006582585
Physical Review E
巻: 95 号: 1 ページ: 012212-012212
10.1103/physreve.95.012212
120006582575
Nonlinear Theory and Its Applications, IEICE
巻: 6 号: 2 ページ: 171-180
10.1587/nolta.6.171
130005064241
https://sites.google.com/site/shoshirasakajp/
https://sites.google.com/site/shoshirasakaen/
http://www.k.mei.titech.ac.jp/members/shirasaka/