研究課題
特別研究員奨励費
本研究は,一般の医療機関における生体分子の分析と,その診療への活用を実現するために,「分析に必要な全ての要素を小型化し,1枚のチップに集積化することで,微量試料の迅速自動分析を可能とする」マイクロ化学分析システムの開発を目的とする.本年度は下記の点について検討を行った.マイクロ化学分析システムを用いて,そのままでは検出が困難,または検出可能であってもその感度が低い生体分子の分析を可能にするためには,分析目的分子を誘導体化するための誘導体化反応部の開発が必要である.本研究では,誘導体化反応を成分分離後に行なうことを想定し,分離された試料成分と誘導体化試薬を混合するポストカラムミキサーの開発を行なった.ポストカラムミキサーの要件は,「溶液の流れ方向には試料拡散が小さく,その垂直方向には溶液混合が大きい」流路構造である.昨年度までに,計算流体力学シミュレーションを用いて上記要件を満たす流路構造として,「μmサイズの柱(ピラー)が規則的に並んだ流路(ピラーアレイ)」が,ポストカラムミキサーとして適すことを見出した.蛍光色素を用いた溶液混合実験と試料拡散実験により,ピラー形状が正方形のピラーアレイミキサーはポストカラムミキサーが満たすべき要件を実際に満足することを確認した.さらに,成分分離部とピラーアレイミキサーを搭載したチップを開発し,これを用いてアミンの分離-発蛍光誘導体化-蛍光検出の自動化を達成した.
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 4件)
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