研究課題/領域番号 |
15K00537
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田野 恵三 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (00183468)
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研究分担者 |
増永 慎一郎 京都大学, 複合原子力科学研究所, 教授 (80238914)
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研究協力者 |
永澤 秀子
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2015年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | DNA損傷修復 / 細胞内微細環境 / 活性酸素種 |
研究成果の概要 |
ピペロングミンの腫瘍細胞特異的致死効果について、DT40のDNA修復遺伝子破壊細胞を用いて解析し、ピペロングミンが種々のDNA損傷を誘発し、二本鎖切断相同組み換え修復も阻害することを見出した。また、腫瘍細胞微細環境の低酸素下でのチラパザミンの作用について同様の解析を行った。チラパザミンによるDNA損傷はTopoisomerase-DNA複合体によるものであることを確認し、DNA-Ligase反応における異常中間体5'-AMP-DNAによる損傷の可能性も示唆され、これら損傷誘発が低酸素特異的な構造変化によること、それに伴う酸化ストレスの増加によるDNA酸化損傷で致死効果が増大することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍細胞特異的な致死効果を持つピペロングミンの解析結果は、正常細胞への影響を最小限に抑える新規抗がん剤の開発に繋がることが期待される。また、腫瘍細胞特有の微細環境(低グルコースや低酸素)に着目し、その環境下でのみ細胞致死効果が得られる薬剤の探索も同様の意義を持つと考える。低酸素下で特異的な致死効果をもたらすチラパザミンが、細胞内活性酸素種のアンバランスによりDNA損傷を誘発するとの結果は、腫瘍細胞内微細環境を利用した新規抗がん剤のスクリーニングにヒントを与えるものである。
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