研究課題/領域番号 |
15K00565
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
中野 繭 (小西 / 小西 繭) 信州大学, 理学部, 日本学術振興会特別研究員 (00432170)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2015年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 淡水魚 / 種間競争 / 代替繁殖戦術 / 遊泳能力 / 止水適応 / 遺伝的撹乱 / モツゴ属魚類 / 国内外来種 / 絶滅危惧種 / 繁殖形質 / 行動形質 / 種の置換 / マイクロサテライト / 種間比較 / 遊泳行動 / マイクロサテライト解析 / 分散形質 |
研究成果の概要 |
本研究の種間比較の結果は、いずれも東日本全域で起きているシナイモツゴからモツゴへの種の置換を支持した。すなわち、1)モツゴはシナイモツゴが利用しない産卵基質をも利用して着実に子孫を増やすこと、2)スニーキングという代替戦略はシナイモツゴよりもモツゴで起こりやすく、シナイモツゴはモツゴからの一方的な繁殖干渉を受けること、3)モツゴはシナイモツゴよりも流水環境における遊泳能力が優れており、かつ、シナイモツゴはモツゴよりも止水環境に適応していること、および、4)モツゴは国内外の系統に由来する個体による著しい遺伝的撹乱を受けており、一方、シナイモツゴの遺伝的多様性は極めて低いこと、が強く示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
種の置き換わりが、在来種のみならず、在来生態系を構成する様々な生物に影響を及ぼす可能性についてはあまり言及されることはない。ニッチの類似性は置き換わりを促す重要な要因の一つと考えられるが、種間比較によって浮き彫りになる種間差もまた急速な定着を可能とさせる要因となりうる。今後は、侵入した種が在来種の役割を包括的に代替するわけではなく、在来生態系を改変しながら分布拡大していることも念頭に起きながら、希少種シナイモツゴの保全や外来種モツゴの防除といった生物多様性の保全の研究に取り組む必要があると考えられる。
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