研究課題
基盤研究(C)
近年、一部の食品添加物が血糖測定結果に影響し、正確な結果が得られていないことが指摘されている。本研究は、血糖自己測定装置 (SMBG) を用いた血糖値の測定結果に影響を与える食品添加物に関して調査研究を行い、添加物のリスク評価と新たな食品表示の是非について検討することを目的とする。本年度は、以下の 2 項目に関し検討を行った。1. SMBGメーターの選定:現在国内で販売されている 40 種類の SMBG について、添付文章を参考に、測定原理、測定方法及び測定範囲 (濃度) について調査を行った。その結果、GOD や GDH-PQQ を用いた電極法によるものが半数近く存在していたが、これらは夾雑物の影響を受け易い事が記載されていた。他方、GOD を用いた比色法や GDH-NAD を用いた電極法では、夾雑物の影響を受け難い事が記載されていた。測定範囲は、概ね、10- 600 mg/dL の範囲にあり、測定方法の違いによる濃度範囲の違いは見られなかった。調査結果から、本検討における血糖の測定には、GDH-PQQ (電極法) と GOD (比色法) を用いた SMBG を用いることとした。2. 活性物質の探索:1. の結果を基に、GDH-PQQ (電極法) と GOD (比色法) を応用した SMBG を用い、グルコース以外の単糖を直接測定したところ、前者において一部の糖が反応することが明らかとなった。また、糖分を全く含まない飲料を対象に、飲料を直接または摂取後の血液を測定したところ、両方で検出されたものや摂取後のみ検出されるものなどが明らかとなった。本検討結果から、食品に含まれる成分で、糖以外の成分でも測定装置によっては検出されること、代謝を受けて検出されるものの存在が明らかとなった。