土砂災害の危険性がある,小規模な扇状地を対象として,特徴的な土地利用および景観を明らかにすることを目的として,土地利用および石垣に関する調査を行った. 土地利用調査の結果,果樹園や桑畑,林地が広く分布していた扇状地があった一方で,大部分を水田や市街地が覆っている場合もあることがあきらかになった.石垣調査の結果,石垣の高さは,地形と関係があり,低地,扇状地,丘陵地の順に高くなる傾向があった.また,石垣を構成する石の種類は,地形によっても異なったが,地域差も大きかった.以上の結果は,土地利用および石垣を基に,扇状地を識別することは困難であることを示す.
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