研究課題
基盤研究(C)
これまで人間の運動発達の認識法として、動きの測定値が利用されていた。しかしこの方法は、運動を指導するための情報とはなり得ないため、本研究では運動発達を促進させる指導方法論の構築のための基礎的研究を進め、とくに子どもの状況判断力や抽象的運動の達成力など、物理的測定が不可能な発達内容の内実を現象学的視点から例証的に考察した。その結果、動感志向性の分析にもとづく動きの意味の解釈が不可欠であることが明らかとなり、その方法論に言及することができた。
人間の運動発達の研究の意義は、本来は発達促進の指導法への貢献であるはずである。しかしこれまで、科学的客観性の妄信から測定値だけに基づく運動発達研究が行われてきた。本研究では、その実践的不備を検証し、運動指導に直結する運動発達論の構築には、動感志向性の分析を主とした現象学的視点からの考察が不可欠であることを明らかにした。この認識により、とくに子どもと関わる指導者の運動観察観点は大きな転換を迫られることとなる。
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コーチング学研究
巻: 29 ページ: 13-20
130007700965