研究課題/領域番号 |
15K01995
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
西村 正秀 滋賀大学, 経済学部, 教授 (20452229)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2016年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2015年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 把持主義 / 知覚の認知的侵入不可能性 / ベイズ主義 / フッサール / 時間意識 / ゲシュタルト心理学 / 知覚 / 時間経験 / 把持モデル / 延長主義 / 運動知覚 / 認知的侵入可能性 / 知覚経験 |
研究成果の概要 |
本研究は、把持主義が正しいという作業仮説のもとで、「知覚経験の表象内容はどのような時間的性質を持つのか」という問題に解答を与えた。成果は次の四点に要約できる。(1)時間的性質の主要素である運動の知覚については、少なくとも視覚に関しては認知的侵入可能性を認める必要はない。(2)従来把持主義と見なされてきたフッサールの時間意識理論は延長主義として解釈されるべきである。(3)ベイズ主義で強化された把持主義は表象内容の時間的性質に関して包括的で高い説明力を持つ。(4)ベイズ主義な知覚の群化理論はゲシュタルト心理学の後継者の一つであり、(1)で指摘された認知的侵入不可能性を組み込む形で修正できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、「時間的に延長した出来事の知覚経験はどのような本性を持つのか」という問題に対して、ベイズ主義によって強化された把持主義が包括的で高い説明力を持つという解答をライバル理論との比較を通じて与え、さらに、従来のベイズ的把持主義を知覚の認知的侵入不可能性を取り込むように修正することによって、さらに高い説得力を持つ把持主義の形態を提案した。また、把持主義を哲学史的に検討する過程で、これまで把持主義の典型と見なされてきたフッサールの時間意識理論は超越論的な延長主義として理解されるという新しい解釈が得られた。
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