研究課題/領域番号 |
15K02021
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
林 芳紀 立命館大学, 文学部, 准教授 (90431767)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2015年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 追加的ケア / 部分委託モデル / 研究倫理 / 健康潜在能力パラダイム / 健康ケイパビリティパラダイムモデル / 偶発的所見 |
研究成果の概要 |
医学研究者の追加的ケアの問題に関して、現在その有力な考察枠組と目されている部分委託モデルに着目し、その有効性の検証と限界の画定を試みた。その結果、以下の三点が明らかとなった。(1)とりわけ先進国での医学研究の過程で発生する偶発的所見の問題などに関しては、部分委託モデルは有効な理論モデルとなりうる。(2)その反面、開発途上国での医学研究の過程で発生する追加的ケアの問題に関しては、部分医学モデルは医学研究者の責務の全体像を描き出すまでには至っていない。(3)健康潜在能力パラダイムと呼ばれる健康正義の理論は、追加的ケアの問題に関して部分委託モデルを補完・強化するものの、代替アプローチにはならない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医学研究を実施する過程で発生する追加的ケアの問題や偶発的所見の問題は、その対処の必要性が世界的にも認められている反面、そもそもなぜ医学研究者はそれらの問題に対処する責務を負うのか、また負うとしても、いついかなる場合にどこまでの責務を負うのかについては、必ずしも十分な理論的根拠が構築されていない現状がある。本研究はその欠を補い、医学研究者が被験者に対して具体的にどのような責務を負うのかを一定程度明確化する点で、社会と調和した医学研究の推進に向けて哲学・倫理学の立場からの寄与を果たすものである。
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