研究課題/領域番号 |
15K02023
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
大谷 いづみ 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (30454507)
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研究分担者 |
川端 美季 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (00624868)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 安楽死・尊厳死 / フレッチャー / 死生学 / 生命倫理 / ナチス・ドイツ / T4 / 障害者 / 優生思想 / 安楽死 / 尊厳死 / ホスピス / キリスト教 / ナチス安楽死政策 / ハダマー精神病院 / 生命倫理学 / ナチス・ドイツの安楽死政策 / 相模原障害者殺傷事件 / 太田典礼 |
研究成果の概要 |
第2次世界大戦中、英米の安楽死協会幹部は、安楽死合法化運動がナチス・ドイツの心身障害者の組織的虐殺であるT4政策と結びつけられないよう腐心する一方、これを可能にする戦争の継続を望んだ。生命倫理学を先駆的に牽引したジョセフ・フレッチャー(1905-1991)は、聖公会司祭としてサッコ=ヴァンゼッティ弁護活動や労働争議をはじめとする社会活動にコミットする一方、神学者として安楽死や優生思想容認論を主張した後、教会を離れて人文系で初めて医学校で医療倫理を講ずるに至った。 フレッチャーの来歴と安楽死論の変遷は、日本で優生運動と安楽死運動を牽引した太田典礼のそれとも通底することを、一次資料から実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キリスト教神学者にして社会活動家でもあったジョセフ・フレッチャーが、第2次世界大戦直後からキリスト教の言辞を用いて、安楽死肯定論を展開していった軌跡は、アメリカにおける生命倫理学・死生学とキリスト教の関係を示すとともに、キリスト教の影響を離れて世俗化した日本の生命倫理学史の先取りを示唆するものである。 2018年に入り戦後日本の優生保護法による強制不妊手術への提訴があいつぐ一方、超高齢社会と他死社会の到来により台湾に次いで韓国でも「尊厳死」法が成立し、安楽死・尊厳死論の変容とキリスト教の関係を検討してきた本研究は、日本だけでなく東アジアにおいてオンタイムの社会的意義をもつものとなった。
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