研究課題/領域番号 |
15K02063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
寺戸 淳子 専修大学, 文学部, 兼任講師 (80311249)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2018年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 宗教学 / 人類学 / 倫理学 / 障害者 / 共生社会 / 平和学 / 市場経済 / 国際比較 / 市民社会 / 権利 / 国際比較(フランス・カナダ・イギリス・日本) / フランス・カナダ・日本 |
研究成果の概要 |
「他者の困難な生にいかに向きあうか」という「共生」の問題への取り組みの事例として、知的障害者とアシスタントが共に暮らす〈ラルシュ〉共同体運動を取り上げ、その市民教育の場としての役割と国際的な展開が「平和学」に貢献する可能性の考察を、次の三つの領域で行った。(1)〈ラルシュ〉共同体運動の基本思想の研究、(2)日本、フランス、イギリスの〈ラルシュ〉共同体の実地調査、(3)市民社会における障害者の位置づけをめぐる政治・倫理学の議論。その結果、「ケア論」が提示する「非対称な関係」をめぐる知見・議論が社会契約論批判において注目されつつあることが明らかとなり、その意義の研究という課題が見いだされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ケアの現場における困難を論じながら「社会契約論」を「自律性至上主義」に基づくものとして批判する法哲学の議論(マーサ・ヌスバウムとエヴァ・フェダー・キテイ)と、<ラルシュ>の創設者ジャン・ヴァニエの思想・実践の、共通点と相違点を整理したことで、<ラルシュ>の実践が「市民社会とそれを支える自律的個人をめぐる思想」の再考に寄与する可能性が明らかになった。さらに<ラルシュ>では「人間の弱さ(死に至る)」と和解するためには祈りと祝祭が必要だという理念を掲げて実践しており、そこに示された、「社会貢献」とは異なる「市民社会における宗教の役割(公共性)」の意義を考察する可能性と必要が明らかになった。
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