研究課題/領域番号 |
15K02108
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学・芸術諸学
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
永井 隆則 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 准教授 (60207967)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 気質 / 感覚 / 自然 / アンガジュモン / ユートピア / ナチュリスム / 反近代化 / 反商業主義 / ポール・セザンヌ / エミール・ベルナール / ジョワシャン・ギャスケ / エミール・ゾラ / 感覚の実現 / 反近代主義 / ユートピア芸術論 / アプロプリアシオン / 先駆者 / セザンヌの不安 / 近代絵画の父 / finiの否定 / 想像力 / 野蛮 / 挑発性 / アナキスム |
研究成果の概要 |
セザンヌの芸術論の形成をシャルル・ボードレールからの影響、エミール・ゾラとの共同作業という視点から明らかにした。「気質」「個性」「独創性」といった価値観をゾラと共にボードレールから継承し、サロン絵画の商業主義に対する批判をゾラと共有する事で、セザンヌが、独自の美学と技法を確立したことを示す事ができた。 また、セザンヌの反近代主義思想は、ボードレールの影響下で形成され、さらに、同時代の哲学者、アンリ・ベルクソンの思想、彫刻家、オーギュスト・ロダン、工芸家、エミール・ガレらの芸術論と共鳴し合い、同時代の知的環境の中でもセザンヌの芸術論が育まれたものであった事を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は最終成果として二つの学説を提示した。1)セザンヌがボードレールの芸術論や思想を継承し多くの着想をそこから得ているという学説。2)セザンヌがゾラと共同作業で独特の芸術論を練り上げたという学説。以上は、これまで全く指摘されておらず、ボードレール/セザンヌ/ゾラ研究の領域に新知見をもたらした。 また、本研究は、セザンヌの芸術論を同時代の知的環境に位置付ける試みを行ったが、これは、セザンヌの芸術活動を個人の営みではなく集団的営みとして読み解く新しい視座をセザンヌ研究にもたらす事となった。
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