研究課題/領域番号 |
15K02152
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 京都造形芸術大学 |
研究代表者 |
河上 眞理 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (20411316)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ヴィンチェンツォ・ラグーザ / パレルモ / 美術 / 工芸 / 清原玉 / 古器物写生画 / ジャポニスム / 近代イタリア美術 / 日本美術 / ルガーノ / ヴィンチェンツォ・ラグーザ / 19世紀 / イタリア王国 / 彫塑 |
研究成果の概要 |
明治9年工部美術学校の彫刻教師として来日したヴィンチェンツォ・ラグーザは滞日中、故郷パレルモ市に美術・工芸学校の設立を企図し教育活用を目的として古美術品を蒐集した。同市立図書館所蔵のラグーザの未公刊手稿を、妻清原玉による《古器物写生画》、現存する蒐集品と合わせて研究した結果、彼は蒐集を進める中で茶の湯文化への造詣を深め、茶の湯文化が日本の美術・工芸の発展に寄与し、経済効果も上げたという歴史観を得、これをパレルモの学校において応用しようとしていたことが明白になった。 本研究により、19世紀から20世紀初頭の欧米諸国にも見られた、美術・工芸による経済振興という方向性は近代イタリアおいても確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
故郷に企図した工芸学校、教育活用を目的とした滞日中の古美術品蒐集は周知のことだったが、十分な検討はなされてこなかった。本研究により、パレルモ市立図書館所蔵のラグーザの未公刊手稿の調査分析をし、古美術蒐集は茶の湯文化に伴う美術・工芸の発展、その経済効果の歴史への関心があったこと、故郷に企図した工芸学校には同様の期待が込められていたことが明白になった。 本研究により、19世紀から20世紀初頭の欧米諸国に顕著な美術・工芸による経済振興という指向性は近代イタリアおいても確認できた。また、これまで十分な検討がなされてこなかったイタリアにおけるジャポニスム研究も、本研究によってその地平を開くことができた。
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