研究課題/領域番号 |
15K02174
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
芸術一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
横田 洋 大阪大学, 総合学術博物館, 助教 (50513115)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 日本映画史 / 芸能史 / 日本演劇史 |
研究成果の概要 |
20世紀初めに新しい興行物として登場した映画は既存の興行の環境にさまざまな変化をもたらした。本研究では主に警察の取り締まりを検証することによって、その変化の一端を明らかにした。従来興行場は制度的にも一定の地域に集中していたが、映画の登場によって必ずしも盛り場とはいえない市内各地に興行場が拡散していった。またこの時期、料金の安さから映画館に多くのこどもたちが集まり、問題視された。これらの事象は従来の芸能ではあまり意識されなかった問題であった。映画の登場が芸能の環境とその歴史に新たな局面をもたらしたものだと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では警視庁による最初の映画検閲の事例を明らかにした。それを示した内規によると当時の警察が危機感を抱いたのは、検閲以上に、東京市内各所に映画館が進出していたことであった。従来の興行場は都市の中でそれぞれの役割を担ってすみ分けており、法的な制度も取り締まりもそれを前提にしていた。しかし、映画の登場が慣習的な制度を崩壊させ、新たな局面へと転換させていった。従来の研究では、制度的・社会的環境といった場合、検閲にかかわる議論や、浅草などの特定の興行地の変貌が議論されることが多かったが、既存の芸能環境と合わせて調査することによって、都市文化をめぐる大きな環境の変化を指摘する事が可能となった。
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