研究課題/領域番号 |
15K02212
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
兼岡 理恵 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (70453735)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 風土記 / 享受 / 近世 / 近代 / 郷土意識 / 郷土 / 受容 / 地誌 |
研究成果の概要 |
本研究では、奈良時代に編纂された地誌・風土記が、近世~近代にかけてどのように享受・研究されたかを辿るとともに、そのような風土記享受の背景にある、近代における「郷土意識」との関連性を検証したものである。 その成果として、契沖、今井似閑、谷森善臣などによる近世における風土記研究の解明、また近世「国学」から近代的「国文学」が立ち上がる中、多くの研究者が風土記の文学的価値を認めない中、芳賀矢一が風土記を高く評価していること、それはのちの日本民俗学樹立にも連なるものであったことを指摘した。さらに戦中における郷土愛・愛国心と風土記への関心について、その関連性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの風土記研究は、各国風土記ごとの注釈・解釈にとどまり、風土記研究の全体像を研究「史」として検証したものは皆無であった。それに対し本研究は、それらの「点」と「点」を「線」に繋ぎ、風土記研究を立体的に浮かび上がらせたものである。また近代日本における郷土意識の研究は、歴史学を中心に行われてきたものの、風土記研究の視座からはほとんど見られなかった。 特に2011年の東日本大震災以降、地域の絆や郷土資料の保存の必要性が強く叫ばれる昨今、風土記の享受史を通じて、「風土」「郷土」とは何か、という課題に一つの答えを導き出す本研究は、きわめて今日的かつ意義あるものである。
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