研究課題/領域番号 |
15K02239
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
丁 貴連 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (80312859)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 有島武郎 / 金東仁 / 魯迅 / 子供優先思想 / アメリカ体験 / アジアからのまなざし / 「小さき者へ」 / 翻訳 / アジアのまなざし / 金子喜一 / 社会主義 / フェミニズム / 李光洙 / 東アジア知識人の知的共鳴と思想的連帯 / 子供崇拝の思想 / 「われわれはどのように父親となるか」 / 「子女中心論」 / アメリカ留学 / 1900年代のアメリカ社会 / ハヴァフォード大学 / クェーカー / ホイットマン / キリスト教 / 有島武郎と外国文学 / 有島武郎と西欧 / 有島武郎とアジア / 有島武郎と中国 / 有島武郎と韓国 / 有島武郎とアメリカ / 東アジアと日本近代文学 / 比較文学 |
研究成果の概要 |
本研究では、「最も西欧的な知性の作家」と言われる有島武郎が、1910年代から20年代にかけて朝鮮は無論、魯迅をはじめとする中国の近代文学者の間でも広くかつ深く受容されていた背景を明らかにした。しかも、彼らはただ単に有島の作品を愛読していただけではなく、社会的弱者である女性や子供、労働者をめぐって有島と問題意識を共有していたことを浮き彫りにした。 とりわけ、本研究では子供問題を扱った「小さき者へ」(1918)が朝鮮語と中国語に翻訳されていた背後に、近代化を渇望する東アジア知識人の危機意識が深くかかわっていたことを指摘することによって、「アジアの欠落」が指摘される有島文学に新たな視点を提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
まず、「アジアの欠落」が指摘される有島文学を、有島の愛読者であった東アジアの近代文学者から逆照射することによって、欧米文学重視の有島研究に新たな視点をもらたした。次に、「最も西欧的な知性の作家」と言われる有島が、魯迅や金東仁、廉想渉といった東アジアの近代文学者たちに深く受容された背景に、アメリカ留学中に接近した社会主義とアナキズム、フェミニズム、ホイットマンが深くかかわっていたことを指摘できた。そして、有島の文学と思想に深い影響を与えた社会主義をはじめとする欧米思想が1910年代から30年代にかけて朝鮮や中国、台湾にどのように移動・変容していったのか、その実態をも明らかにした。
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