研究課題/領域番号 |
15K02244
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
日比 嘉高 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (80334019)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 書物流通 / 書店 / ネットワーク / 外地 / 満洲 / 朝鮮 / 樺太 / 台湾 / 満洲書籍配給株式会社 / 取次 / 出版流通 / 統制経済 / 外地書店 / 外地取次 / 大阪屋号書店 / 植民地書書店 / 新高堂 |
研究成果の概要 |
本研究の成果は、地域別の個別実証研究の進展と、書物流通ネットワークについての理論的な追求とに大きく分けられる。個別地域としては台湾、朝鮮半島、樺太、満洲について調査分析を進めた。台湾については新高堂書店を軸にしながら、1920年代から1940年代までを考えた。朝鮮半島については日本出版配給各部式会社時代までを分析した。樺太については書店史を中心に1910年代から1940年代までを調査した。満洲については満洲書籍配給各部式会社時代までを考察した。またこのほか、統制経済と書物流通を考える研究も行った。ネットワークと空間に関する理論的な考察も行い、空間の生産、複数性、接触領域などを鍵概念とした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究のもっとも顕著な意義は、書物流通という知の拡散と規制に関わる仕組みを歴史的かつ地域横断的に追求した点にある。従来の出版流通研究は。そのほとんどが日本国内にのみ焦点を当ててきた。これに対し、本研究は内地と外地を結んだ書物流通に焦点を当てたところに特色がある。この研究によって、国境に縛られない文化の広がりが見えてきただけでなく、出版流通が重層的かつ多中心的なネットワークになっていたこと、書店が植民地都市の文化形成に大きな役割を果たしたこと、店主や店員、顧客が多民族であったことなどが見えてきた。書物という多くの分野に関わる題材を扱うことで、広い波及効果を持つ研究となったと自負している。
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