研究課題/領域番号 |
15K02258
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
武内 佳代 日本大学, 文理学部, 准教授 (40334560)
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研究期間 (年度) |
2015-10-21 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2016年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2015年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 大岡昇平 / 三島由紀夫 / 女性誌 / 女性読者 / 婦人公論 / 戦後日本 / 女性雑誌 / ジェンダー規範 / 姦通小説 / 離婚 / 戦後作家 / ジェンダー / セクシュアリティ / 雑誌研究 |
研究成果の概要 |
本研究は、小説連載を中心として、大岡昇平と三島由紀夫の女性誌での活躍の様相を明らかにしたものである。大岡昇平は、とくに知識階級の女性たち向けの『婦人公論』との関わりの強い作家であることから、当該雑誌を調査・分析し、大岡が連載誌が啓蒙した「女性解放」の文脈を意識的に連載小説に採り入れていたことを解明した。一方、大岡の朋友でもあった三島由紀夫は、そうした大岡の存在を意識しつつも、大岡よりも多種多様な女性誌に連載をしていた。それら雑誌群の調査・分析により、大岡に比べ、三島がそれぞれの連載誌の啓蒙性を意識しつつも、しかしそうした啓蒙性を揶揄・逸脱する試みを連載小説に施していたことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまでの大岡昇平研究や三島由紀夫研究で看過されてきた、大岡と三島の、女性読者向けの小説連載の様相を調査し解明したものである。大岡は従来『武蔵野夫人』を除けば、戦争体験を基にした『俘虜記』や『野火』等の小説ばかりが社会的にクローズアップされ、研究の対象ともなってきた作家である。また三島については一般的にも研究においても、文芸誌連載のいわゆる「純文学」としての小説ばかりに焦点が当てられてきた。しかし本研究を通じて、彼らがともに1950年代から60年代にかけて連載女性誌の特色を熟知し、それらを採り入れつつ、女性読者向けに積極的に創作を行ってきた様子を初めてまとまった形で浮かび上がらせた。
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