研究課題/領域番号 |
15K02280
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
位田 絵美 近畿大学, 産業理工学部, 准教授 (30353345)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2015年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 挿絵解釈 / 仮名草子 / 大坂物語 / 嶋原記 / 『北条五代記』 / 『大坂物語』 / 近世文学 / 挿絵 |
研究成果の概要 |
本研究では、仮名草子の挿絵に当時の世相がいかに反映されているか解明することを目的とし、『大坂物語』『嶋原記』『北条五代記』の挿絵を分析してきた。分析の結果、挿絵は刊行時期によって異なり、江戸と上方の読者の嗜好を反映していることが判明した。 すでに本研究の成果は、「簡約版『大坂物語』の本文と挿絵」「明暦四年松会版『大坂物語』について」「服部版『天草物語』系統の挿絵の変遷―萬屋版『嶋原記』と岩瀬本『嶋原記』をめぐって」「国会本『絵本北条五代記』の挿絵―本文と挿絵から見える成立過程」として公刊している。さらにこれまでの挿絵研究の成果を取り纏め、著書刊行の準備を行った。2019年秋に刊行予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の仮名草子研究では、本文異同や読解に主な目的が置かれ、挿絵の分析や解釈は看過されてきた。だが仮名草子作品には、同一本文のまま挿絵だけが差替わる傾向がある。しかも挿絵は、刊行時期・場所によって異なる。すでに流布した本文は変更できないが、挿絵は変更可能なため、版元が読者嗜好を先読みして挿絵を差替えた可能性が高い。ゆえに挿絵の変遷を分析することは、作品の享受史を分析することでもある。その意味で、文学研究における挿絵解釈の研究は重要な意義と新規性を持つ。 また本研究は仮名草子研究に「挿絵」という新しい分析視角をもたらし、文学・美術史学の両領域に跨って有機的連携を実践し、学術的に高い意義を有する。
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