研究課題/領域番号 |
15K02282
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 茨城大学 (2017-2018) 尚絅大学 (2015-2016) |
研究代表者 |
宮崎 尚子 茨城大学, 教育学部, 准教授 (30611652)
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研究協力者 |
押田 良樹
石倉 昭子
大内 純
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2015年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 川端康成 / 生徒の肩に柩をのせて / 師の棺を肩に / 倉木先生の葬式 / 倉崎仁一郎 / 西田千太郎 / 伊原青々園 / 茨木中学校 / 旧制中学校 / 「生徒の肩に柩をのせて」 / 「十六歳の日記」 / 「倉木先生の葬式」 / 「師の棺を肩に」 / 石丸梧平 / 雑誌「団欒」 / 倉崎仁一朗 / 旧制茨木中学校 / 団欒 / 加藤逢吉 / 伊藤青々園 / 小泉八雲 / 撫順製油工場 |
研究成果の概要 |
川端康成が中学生時代に書いた作文「生徒の肩に柩をのせて」の背景を明らかにした。その結果、小説「倉木先生の葬式」「師の棺を肩に」との比較研究が可能になり、事実の検証ができた。同時に「十六歳の日記」へのアプローチも可能になった。資料整理として校長日記は全て撮影、一部翻刻して印刷製本して同窓会に寄贈した。書簡は撮影翻刻して一部活用した(個人情報に関わるので書簡全部の開示は控えた)。川端の中学時代に受けた国語教育が担当者を含めて明らかになり、生徒日誌指導やプール設営を含めて「生徒の肩に柩をのせて」成立に関わっていることを指摘した。また数回に渡り作品化や文章化している点から関心が高い出来事だと分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
発見された川端康成「生徒の肩に柩をのせて」は、中学生の時に雑誌掲載された作文である。恩師の葬儀を生徒達で執り行った経緯が題材である。この頃の川端はノーベル賞を夢見ていたにも関わらず、作文の成績は五十三点とほぼ最下位であった。一方で茨木中学校の生徒日誌指導で鍛えられた文章力は高く評価されながら、内容面で厳しい評価を受けていた。ところが、恩師の棺を教え子たちが自主的に運ぶ行為が心の琴線に触れる内容だったことから大抜擢され、雑誌巻頭に掲載される。この翌年の日記に作文がクラスで最高点になったと書いている。孤児根性や美のテーマから「生徒の肩に柩をのせて」は作家誕生に大きく関わる作品であることが分かった。
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