研究課題/領域番号 |
15K02288
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 青山学院大学 (2016-2018) 北見工業大学 (2015) |
研究代表者 |
笹川 渉 青山学院大学, 文学部, 准教授 (10552317)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | イギリス詩 / 初期近代 / 王党派 / 祝祭 / ミセラニー / 民衆 / スチュアート朝 / イギリス文学 / ランターズ / 共和制 / 内乱 |
研究成果の概要 |
以下の三点について成果を報告することができた。(1)王党派は国王をキリストに重ねることで、国王を受難や復活の救世主として賛美し、様々な祝祭を利用して聖書のキリスト像を17世紀イングランドの歴史に合わせた形で提示した。(2)本来立場を異にする王党派とランターズであるが、両者とも救世主を求めていた点で共通点がある。また、クリスマスの享楽に表現されるように、王党派は民衆の中で反政府を主張する騒動を起こしていたランターズとして時に見なされていたことを確認した。(3)王党派は詩の雑録を通じて、時に弾圧された民衆の祝祭を失われた宮廷の祝祭や娯楽に代わるものとして表現し、議会派に対する抵抗手段としていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、弾圧されていた民衆の祝祭という観点から、従来文学史的に看過されがちな内乱期から1650年代のイギリス文学についての特徴を論じることで、民衆の祝祭を利用して国王の支持を取り戻そうとした王党派の存在を浮き彫りしたことが学術的意義である。その中で、社会改革を目指したランターズは弾圧された民衆の祝祭を利用し、王党派は詩の雑録という議会派に対する抵抗手段で自らの祝祭を描き出した。内乱期と共和制下の王党派の文学に対する新たな視座を提供することができたと考える。
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