研究課題/領域番号 |
15K02297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
上原 早苗 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (00256025)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2015年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | イギリス文学 / 受容研究 / トランスレーション・スタディーズ / 書誌学 / 出版制度研究 / トマス・ハーディ / ハーディ / 検閲 / 出版制度 / 英学史 / 出版・検閲制度 |
研究成果の概要 |
本研究は、国際ハーディ協会により立ち上げられたプロジェクト、「グローバル・ハーディ」に寄与することを目的 としたハーディの受容研究である。具体的には、戦前に出版されたハーディの『ダーバヴィル家のテス』の翻訳テクストを取り上げ、テクストに刻印された政治性を明らかにしようとするものである。これまで等閑に付されてきた、内務省警保局・検閲官による検閲に焦点を当て、テクストを受容する際に翻訳者・出版者が採用した〈出版の戦略〉を明確にするのが、本研究の最終目標である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東京書籍商組合編『図書月報』を精査することで、これまで等閑に付されてきた明治後期の内務省による性表現の取り締まりの実態に光をあてることができた。具体的には、検閲官と出版社との間にある種の共犯関係が成立していたこと、検閲官の人員は恒常的に不足しており閲読の時間に余裕があったわけではなく、そこに検閲官と出版社の共犯関係が生まれる素地があったことを浮き彫りにすることができた。 また、翻訳者・出版社が検閲官に従順な態度をとりつつも、実際は伏せ字の意味効果を利用しながら、境界線を巧妙に侵犯していくプロセスに迫ることができた。
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