研究課題/領域番号 |
15K02363
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
坂内 太 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60453990)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2015年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 変身・変容の表象 / アイルランド現代演劇 / 変身と変容 / 告白の表象 / キャスリーン・ニ・フーリハン / 西の国の伊達男 / 鷹の井戸 / ユリシーズ / 身体表象 / アイルランド演劇 / アビー劇場 / アイルランド文芸復興 |
研究成果の概要 |
現代アイルランド文学・演劇の主要な作品を巡る変身・変容の表象のジャンル横断的な分析を通じて、その特異性を明示化した。精神変容を巡る伝統的なカトリック文化に対して疑義を提示した諸作品(特にW.W.イェイツ、J.M.シング、ジェイムズ・ジョイス、サミュエル・ベケットによるもの)に着目し、多くの変身・変容が公共空間・半公共空間で生じ得るものとして描かれている点を明らかにした。また、20世紀初頭の戯曲で変身・変容のテーマと国家再生のテーマが交錯する点を分析すると共に、アイルランド社会で虐げられた弱者、いわばアイルランド社会における声なき声の存在に焦点を合わせる創作傾向が見られることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アイルランド現代文学・演劇の諸作品が、伝統的な倫理観や宗教的潔癖性からの「身体性の軽視や否定」という現実を踏まえつつ、社会的・政治的に抑圧された個人の苦悩や国家的疲弊、社会の周縁に追いやられた女性の窮状やトラウマなどを巡る切迫した身体と変容の表象を生み出してきた過程と諸相を明らかにすることで、新たな知見をもたらした。モダニズム文学や不条理演劇という普遍文学や世界演劇の文脈で読み解く先行研究は、具体的なアイルランド性を軽視することで、植民地として多くを簒奪された国家が生み出してきた文学・演劇作品から、さらに個別性を奪い取るという矛盾を生む一面を持っていたが、この点を解消する新たな視点が得られた。
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